HOME > テクニカル分析の活用法

移動平均線の見方と活用法

それでは、ここからは主要なテクニカル分析について紹介していきたいと思います。

まずは、最も代表的な分析手法である「移動平均線」です。移動平均線とは、一定期間の為替レートの終値の平均を取り、その変化を線でグラフ化したラインです。一般に平均をとる期間を短期、中期、長期がで分類し、その日々の為替レートや、期間の異なる移動平均線との位置関係で、為替レートの上下トレンドを見たり、売買のタイミングを検討する際に使用されます。

移動平均の期間は、投資家自身のスタンス或いはその通貨のトレンドが出やすい期間を設定するのが望ましいですが、主に短期線:5日、中期線:25日、長期線:75日などで設定されることが多いようです。尚、超短期線として3日、長期線に関しては100日といった形で利用されるこがしばしばあります。

この移動平均線を活用した売買タイミングの見極めポイントとして、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」というものがあります。ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が中・長期の移動平均線の下から上に突き抜ける際に、クロスしたポイントを示すもので、これが買いのタイミングとされています。

逆にデッドクロスとは、その反対の意味であり、短期の移動平均線が中・長期の移動平均線の上から下に突き抜ける際に、クロスしたポイントを示しています。つまり、売りのタイミングを示しているというわけです。

これらは、最も基本的な移動平均線の見方・活用の仕方になりますので、必ず見に付けておきましょう。

MACDの見方と活用法

続いて、移動平均線とセット扱われる人気テクニカル分析手法「MACD(マックディー)」について紹介したいと思います。

MACDとは、「Moving Average Convergence and Divergence」の略称であり、移動平均収束発散法と呼ばれる考え方を基本としています。具体的には、例えば移動平均線の内、短期線と中期線を5日と25日の期間で計算するとしましょう。その際、5日分及び25日分の最終値を1日分余計足し、5日及び25日分で除算します。これにより得られる数値は、最終値を重み付けした移動平均線となり、翌日以降、上下どちらへと向かうのか示す指標となるのです。

この指標の活用方法は、基本的に移動平均線での活用方法と同じで、短期のMACDが中期のMACD(スローMACD)を下から上に突き抜けた瞬間がゴールデンクロスとなり、これが買いのタイミングとなります。逆に短期のMACDがスローMACDを上から下に突き抜けた瞬間がデッドクロスとなり、売りのタイミングとなります。

MACDは、移動平均とは全く異なる分析手法及び指標という見方をされがちですが、計算方法の側面から見ると、移動平均の算出ロジックに極めて近いため、移動平均線と併せてみることによって、短期・中期的なトレンド把握や見極めの精度が向上する、非常に有益な分析手法なのです。是非、移動平均と併せて活用することをオススメいたします。

エンベロープの見方と活用法

移動平均線に関連してご紹介したい最後の指標をご説明しましょう。それが「エンベロープ」です。

エンベロープとは、移動平均線を一定幅上下に乖離させて描いたラインのことです。乖離幅は、移動平均線に対する比率あるいは値幅で行いますが、この比率や乖離幅は自分で設定して使います。初心者の方が、いきなり自分で乖離幅を設定するのは難しいと思いますので、FX会社が提供する為替チャートを利用することで、予め何%乖離しているのか確認してみると良いでしょう。

さて、このエンベロープですが、移動平均線に対するプラスとマイナス乖離の幅を示しますので、為替レートが移動平均線から○%乖離しすぎると、平均に戻ろうとする圧力が高くなるという考え方で活用します。そのため、移動平均線からの乖離率から「売られすぎ」「買われすぎ」を判断することとなります。

具体的には、上側のプラスラインに為替レートが近づいた時は、反転下落の可能性が高くなると考えます。逆に、下側のマイナスラインに為替レートが近づいた時は、反転上昇の可能性が高くなると考えます。但し、上下トレンドが強すぎる場合は、私達が考えたような反転相場・転換が起きない場合があります。例えば、非常に強い上昇トレンド相場の場合では、エンベロープのプラスラインをローソク足が抜けて、上昇トレンドが2~3続くといったことが時々あります。これは、乖離率の設定にも依存しますので、あくまでも相場転換点を見極める一つの材料として捉え、他の指標とセットで扱うことをオススメします。

ストキャスティクスの見方と活用法

ここまで、移動平均線に関連する指標について説明してきましたが、続いてはオシレーター系と呼ばれるの指標(為替の振れ幅を計る)についてご説明します。その代表が、「ストキャスティクス」です。

この指標はの特性は、「買われすぎ」や「売られすぎ」の状態を教えてくれる指標という点です。ストキャスティクスは、指標自体の見た目や使い方が後述するRSIと大差無いため、RSIで覚えると良いでしょう。

指標の数値は0~100%の範囲で示され、為替レートが上昇すれば数値が高くなり、下がれば数値も低くなります。一般的な「買われすぎ」や「売られすぎ」を示すラインは、30%以下が買い、70%以上が売りと言われています。この売買タイミングの判断方法はRSIと似ていますが、異なる点として「ラインが2本ある」ということです。

具体的には、「ファースト・ストキャスティクス」と「スロー・ストキャスティクス」の2種類に分類されます。「ストキャスティクス%K」と「ストキャスティクス%D」の2本の線を使ったものがファースト・ストキャスティクス、%DとSDの2本を使ったものがスロー・ストキャスティクスです。

この2種類のラインを活用した売買タイミングの見極めとなる、買いと売りサインの見方は次の通りです。
1.買いゾーン(30%以下)で、%Kが%Dを、下から上に突き抜けたら「買い」のタイミング
2.売りゾーン(70%以上)で、%Kが%Dを、上から下に突き抜けたら「売り」のタイミング

売買ゾーンとラインの交差から売買タイミングを見極めるため、初心者の方は、まず買いゾーンと売りゾーンにラインが入ったかどうか、という点から見極めてみると良いでしょう。

RSIの見方と活用法そして注意点

もう一つ、オシレーター系の代表的な指標として「RSI」(アールエスアイ)をご紹介いたします。基本的な特性は、前述のストキャスティクスと同様に、「買われすぎ」や「売られすぎ」を示す点です。

RSIは、一定期間の為替の値上がり幅の合計を、値上がり幅と値下がり幅の合計で割ると求められます。具体的な算出式は、次の通りです。

         値上がり幅
RSI = ─────────────── × 100 (%)
     値上がり幅 + 値下がり幅

RSIにおける売買タイミングは、ストキャスティクスと同様に30%以下が買い、70%以上が売りと言われています。ストキャスティクスと同じ見方で、チャート見る事が出来るので、是非初心者の方は覚えて下さい。

ただ、RSIには最大の弱点があります。ここで、わざと数式を説明したことには、大切な理由があるからです。RSIの数式から読み取っていただきたいのは「為替レートが、上下どちらに振れやすくなっているか?」という点です。つまり、為替返上の上下幅が大きいチャートほど、算出時の値が出やすいと言えます。

しかし、その逆の意味で、ジグザグがあまりない(為替レートの上下変動があまりない)、一方向に傾いているチャートには向きません。そのため、RSIのみで売買タイミングを計ることなく、為替レートの上下変動の様子や他の指標と組み合わせて、売買タイミングを見極めるようにしましょう。

ボリンジャーバンドの見方と活用法

ここまで、オシレーター系の指標2種類について説明してきました。それでは、次にトレンドの転換点を読む指標についてご紹介したいと思います。その代表に挙げられるのが「ボリンジャーバンド」です。

ボリンジャーバンド自体の計算式は複雑なので、RSIのようにここでは、その計算式は紹介いたしません。代わりに、是非覚えていただきたいことは、ローソク足を中心として、上下合計数本のラインが現れることです。この時点で、沢山のラインがあるの?!という声が聞こえてきそうですが、大変重要なラインなので、しっかりと覚えましょう。

これらのラインは、移動平均線の数値に標準偏差を乗算して描かれます。それらのラインは、以下のような名前と考え方で表現されます。尚、移動平均線及び標準偏差に用いる期間は9日、20日、25日が用いられる傾向にあります。

1. ±1σライン・・・移動平均線の数値±標準偏差
2. ±2σライン・・・移動平均線の数値±2×標準偏差
3. ±3σライン・・・移動平均線の数値±3×標準偏差

ボリンジャーバンドは移動平均線を中心線として、移動平均線の上側には+σ、+2σ、+3σ、下側には-σ、-2σ、-3σの線が表示されます。また、簡素的に±2σラインまでの合計5本のラインだけで表示されるケースもあります。

さて、このボリンジャーバンドですが、±1σライン間には約68%の確率で為替レートが収まり、±2σライン間には約95%の確率でが収まるという特性があります。これらの確率は、先に説明した標準偏差の考え方に基づいていますので、あまり難しく考えずに「そういうものなんだな」と暗記して下さい。

実際の使い方としては、このラインに為替の上下変動が収まるかどうかから、-σ、-2σラインが下値の抵抗線、+σ、+2σラインが上値の抵抗線として機能しますので、それらのラインに為替変動が接触したら、トレンドの転換が近いと判断します。

初心者の方には、やや難しく感じる分析手法かもしれませんが、過去の為替変動とボリンジャーバンドの(抵抗線としての)機能を意識して眺めてみると良いでしょう。

売買タイミングへの「月齢」の活用法

ここまで様々なテクニカル分析手法とポイントを説明してきましたが、あまりテクニカルの分析から複合的に売買亜タイミングを決断するには、分析手法や材料がありすぎて、迷う場合があります。そんな時やそんな方にオススメなのが、「月齢」。つまり、月の満ち欠けで売買タイミングかどうかを意志決定する方法です。

皆さん一度は聞いた事があると思いますが、月が満月の日ほど、犯罪の発生件数が多いという統計を。これは、月の引力と人間の血流や血圧との間に何らかの関係性があるから、と言われていますが、その真偽のほどは定かではありません。しかし、実際に為替の世界においても、この統計学的な手法が適用出来る確率は高いのです。

まずは、その法則として「新月・満月の時は、為替の売買トレンドが変化する」というものです。つまり、トレンドの中において、高値・安値を付ける傾向にあるということです。また、このような言葉もあります、「新月売り、満月買い」。その名の通り、新月になると売り圧力が強まり、為替レートは安値(円高)をつけ、満月の時は買い圧力が強まることから、高値(円安)をつけるというものです。

必ずしも、このようなパターンになるとは、明確に言えないものの、実際に為替の日足やMACDの売買タイミングと照らし合わせると、新月・満月前後の日でトレンドが変わることが多いようです。最近の為替レートで見てみると、2009/9/6(日)が満月だったのですが、ユーロ円の売りトレンドが9/3(木)に131.01円で底を打ち、その後134円台への買いトレンド(円安)に変化しました。この時、MACDのシグナルもゴールデンクロスを示し、買いのタイミングを示していました。

このように、売買タイミングを見極める上で、あくまでも一つの材料として月齢を使うと、その勝率はグッと高まる可能性がありますので、是非注目してみて下さい。